NPCはリアル世界の夢を見るのか

    ペコリーヌのNPC説を以前に妄想しましたが、単なるNPCでは説明のつかない事柄が三つありました。

①陛下が男であることを知っている。

    陛下のリダイブ世界の姿は外見的に女です。(声から男と判断することもできません)しかし、5章でペコリーヌは

「わたしからすべてを奪った、『あの男』のように。」

と話すシーンがあります。これはリアル陛下が男だと知っていることを意味します。つまり、ゲーム内だけの存在ではないということを示しています。

②アカウントがある。

   ギルドハウス3階のストーリーでは、幻影湖の霧でペコリーヌが混乱した際に、ネビアがペコリーヌのアカウントを一時凍結することで眠らせ、落ち着かせています。アカウントがあるということは誰かが使うことを前提に作られた存在であることを示しています。

③リアル世界の夢を見ている。

   8章でムイミからリダイブ世界とリアル世界について聞いている時に、ペコリーヌはリアル世界の夢を見たことがあると話しています。(本当の自分という実感があるとまで言っています)これはペコリーヌの中にリアル世界を体験した記憶があることを示しています。

    ①〜③の示していることを見ると単なるNPCでは説明がつきませんので、ペコリーヌがアストルムのお姫様つまりプリンセスだという点に立ち戻って妄想をしていきます。

    まず②を前提とします。リアルがどんな身分・立場(七冠含む)の人だったとしても、プレイヤーアカウントの属性(称号?)にプリンセスがついているとは思えません。なぜなら、前作のアストルムを遊んでいるプレイヤーはプリンセスを目指しているからです。

    次に、プリンセスが複数いる世界設定を認めていないのは前作ラストでヒロインの中から1人だけしか選べないことからも明らかです。つまり、前作のソルの塔の頂上を制覇しプリンセスが誕生した瞬間にペコリーヌからプリンセスという属性(称号?)を消す必要があるかもしれません。

    属性(称号?)を消される可能性があり、プリンセスを目指していないアカウントそれがペコリーヌです。そんなアカウントを使う可能性があるのは運営者つまりミネルヴァぐらいしか妄想することができません。運営者がプレイヤーとなってそのゲームを楽しみたいというのはよくある話ではないでしょうか。

    ミネルヴァならリアル陛下(千里真那)が男であることを知っていると思われるので、その記憶が残っていればと考えると①を説明することができます。

    残った③について妄想するために前作エピローグに目を向けたいと思います。ミネルヴァが騎士君にこれからどうするか問われた時の答えが

「そうですね……まずは誰にも見つからない場所へ身を隠します。リアルでも、アストルムでも」

です。〜でも〜でもということは、ミネルヴァはリアルに実体があり、身を隠すと言っていることになります。もしかすると、リアルペコリーヌの形をした生体素材を用いたロボットがあり、それを使ってミネルヴァはリアルを体験していたのかもしれません。そうすればペコリーヌのセリフどおり実感がある夢を見ても不思議ではないと思います。

    今回の妄想でペコリーヌは「リアルに存在しない単なるNPC説」から「リアル・アストルムともにミネルヴァのために作られたお人形説」に変わりました。しかし、アストルムのペコリーヌにミネルヴァがログインしていない時は、NPCのような立ち振る舞いをしているのだとは思っています。

    この妄想で気分を悪くされた方がいましたら、重ねてごめんなさい。

    次回はペコリーヌのキャラストーリーの夢とキャルの夢(12章)への対応の違いについて妄想したいですね。